未然のカビ予防に! 除湿器の選び方とお手入れ

カビ取り・カビ予防

2023.02.15

Column

はじめに

除湿器の魅力や選び方、お手入れについてご紹介いたします。まず、除湿器を使用するのにお勧めの場所として、地下室や脱衣所など年間を通して湿気が溜まりやすい場所が挙げられます。除湿機能付きのエアコンや空気清浄機でも対応可能な場合もありますが、ご紹介したような湿気が溜まりやすい場所や梅雨時期の場合では(除湿能力を基準に設置されていないため)エアコンや空気清浄機の除湿できる能力を超えてしまい、フィルターにカビを生やしてしまう場合があります。一方で、除湿器では使用するお部屋に適した能力のもので、お手入れを欠かさなければ、室内にカビを生えさせてしまう可能性を大幅に減らすことができます。

除湿器の種類

除湿器にはコンプレッサー式、デシカント式(ゼオライト式)、ハイブリッド式の3つの方式があります。

コンプレッサー式

コンプレッサー式除湿器は、暖かい空気は水分を多く含むことができ、冷たい空気は含み切れない水分を水滴として結露させるという性質を利用して除湿を行います。具体的には、取り込んだ湿った空気を冷却器によって冷やし、水分を結露させ、放熱器で室温に戻した後、ファンで室内に戻すというエアコンの除湿機能と同様の仕組みです。

メリット・注意点

コンプレッサー式の除湿器を使用する上でのメリットとして、除湿能力が高く、室温に与える影響も小さいことが挙げられます。特に高温多湿になりやすい夏場、特に梅雨時期の使用に適しています。梅雨時期の部屋干しなどにもご利用いただけます。また、ヒーターを使用していないため、他の種類よりも消費電力が少なく、電気料金を節約することができるのも魅力です。(一時間当たり5.1~7.2円程度)注意点としては、コンプレッサーを使用しているため、運転時の音が大きくなりやすいので、静音タイプのものを選んでいただくことをお勧めいたします。気温が低いと除湿能力が低下してしまうため、夏場以外では入浴前後に高温多湿になりやすい脱衣所などでの使用が望ましいです。脱衣所で使用することで、カビだけでなく、細菌の繁殖による床のベタつきを防止することができます。

デシカント式(ゼオライト式)

デシカント(乾燥剤)式除湿器は、乾燥剤に湿った空気の水分を吸わせて乾燥した空気を排出する面とヒーターによって熱交換器に水分を移す面があり、それらを併用することで暖かく乾燥した空気を排出する仕組みになっています。

メリット・注意点

シカント(ゼオライト)式を使用するメリットとしては、時期による除湿能力の変化が小さく、1年中安定した除湿能力を維持し続けられ、冬場の結露防止に役立つことと静音性が高いこと、小さく持ち運びに適したものが多いことが挙げられます。一方、注意点として、電気料金がコンプレッサー式の倍以上掛かってしまうこと(1時間当たり8.8~19.4円程)と使用時に3~8度の温度上昇が見込まれることが挙げられます。そのため、夏場の使用は控え、地下室のような年中気温が冷涼かつ湿気が溜まりやすい場所での使用をお勧めいたします。

ハイブリット式除湿器

ハイブリット式除湿器は、コンプレッサー式とデシカント式の機能を併せ持ち、気温に合わせて自動で調節して効率的に除湿を行うことができます。

メリット・デメリット

ハイブリット式除湿器を使用するメリットは、前述のコンプレッサー式とデシカント式のメリットを併せ持つことと気温に合わせて自動で判断して機能を使い分けるため、1年中、効率的かつ快適に除湿を行うことができます。電気代についても2つの機能の効率よく併用することができるため、安く抑えることができます(1時間当たり5.8~12.1円程度)デメリットとしては両方の機能を搭載しているため、どうしても重く大きくなってしまことと機器本体のイニシャルコストも高くなってしまうことです。

除湿器の選び方

除湿器を選ぶ上で重要なポイントとして、能力、タンクの容量、お手入れのしやすさの3点があります。

能力

まず、重要になるのが使用目的に合わせた能力のものを選ぶことです。脱衣所のカビ対策や夏場、梅雨時期の湿気にお困りならばコンプレッサー式除湿器、地下室のカビ対策や冬場の窓の結露にお困りの場合はデシカント式除湿器のような形で、目的に合った除湿器を選ぶことをお勧めいたします。また、除湿能力だけでなく、空気清浄機能や送風、衣類の速乾、内部乾燥(カビ防止)機能などの機能が充実しているものもあります。

水タンクの容量

湿器は水タンクが満タンになる、もしくは、その直前で自動的に止まってしまうため、水を捨てる手間を減らすふために水タンクの容量ができるだけ大きいものを選ぶことをお勧めいたします。ただし、水タンクの容量が大きくなるほど機器本体も大きくなってしまう他に機器内部で、長時間、水を放置することになってしまうので、水を捨てる際には、タンクを水洗いするようにしましょう。

お手入れのしやすさ

除湿器のお手入れを怠ってしまうと除湿器内部にカビを生えさせてしまったり、除湿能力を低下させてしまいます。そのため、お手入れがしやすいもの、内部乾燥機能がついているものやフィルターの取り外しが簡単なもの、水タンクの取り回しが良いものやDAIKINの除湿乾燥機カライエ(排水用ホースが付属)のような水を捨てる必要がないものなどをお勧めいたします。

お手入れ

お手入れを行う際には、けが防止のためにコンセントを抜いてから作業をおこないましょう。また、変色や変形、破損の原因になり得るため、洗剤を使用する際には薄めた中性洗剤を使用するようにしましょう。

フィルター・吸込口の清掃

除湿器内部にカビが生えてしまう原因として最も大きな割合を占めているのが、フィルターに蓄積したほこりです。高温多湿になりやすい機器内部では、ほこりを栄養源にしてカビが繁殖し、部屋中にカビを広げてしまう恐れがあります。週間に1度を目安に掃除機などを使用して、フィルターと吸込口のほこりを取るようにしましょう。フィルターはデリケートなため、歯ブラシやブラシノズルの使用は控えましょう。故障の原因になり得ます。フィルターの種類によっては、水洗いできるものもあります。水洗いできるものはほこりを取った後、数回にわたって、つけおき洗いをし、しっかりと乾かす、もしくは内部乾燥を行ってから使用するようにしましょう。

排水後の水タンクの洗浄

除湿器の水タンクには、水と一緒にフィルターをすり抜けるほど小さな菌や空気中の汚れも溜まってしまうため、繰り返し使用しているとぬめりや黒ずみが現れることがあります。排水後、すすぎ洗いをすると共に、ぬめりや黒ずみを見つけた際には、中性洗剤をぬるま湯で薄めたもの(40度未満)でつけおきをし、水で洗い流すようにしましょう。洗い流す際は柔らかいスポンジを使用し、強くこすり過ぎないようにしましょう。

さいごに

最後まで読んでいただきありがとうございました。今回ご紹介した除湿器に関する内容をご活用いただければ幸いです。前述のようにお手入れを怠るとカビの原因や除湿器の能力低下、機器自体の寿命を縮めてしまうことにも繋がりますので、除湿器やエアコン、空気清浄機の定期的なお手入れは欠かさないようにしましょう。株式会社ミヨシテックでは、カビの除去、防カビ施工も承っておりますので、カビに関するお悩みごとがございましたらお気軽にお問い合わせください。